アナウンスメント : 「なりすまし」 に関するサービス規約の文言変更 - 02

(アナウンスメント : 「なりすまし」 に関するサービス規約の文言変更からの続き)

公式フォーラム : GM スレッド 『サービス規約の文言変更についての GM による解説 (GM clarification on rewording of the Terms of Service)』 #238 より

(2013.09.11 12:46 by GM Karidor)


最初にちょっとした警告と、免責事項を。

この投稿は長いよ (およそ 1.5件分だ)。要約なし。具体的な事例を取り上げてそれを詳細に解説するといったことをするつもりはないので、そういったものは求めないでほしい。そうするよりも、なりすましの事例が僕ら GM にとってどういう意味を持つのかについて概観をみんなにつかんでもらえるよう、一般論的なかたちで問題を取り上げたいと思う。適切だと思われるぎりぎりまでこの投稿で詳細を述べたつもりなので、今回のサービス規約の文言変更に関しては、本投稿が 「最後の言葉」 だと思ってほしい。この最終稿そのものについては、CSM に見てもらう時間をあまりとれなかったんだけど、昨日僕が本件に関してここ投稿をして以来、内部でもディスカッションは行われていたんだ。さて、これくらいにしてさっそく本題に入ろう。


まず、CCP のポリシーのうち、サービス規約以外で 「なりすまし」 に言及しているものを見ていこう。これらには今回何も変更は加わっていない。

「ネーミングポリシー」 にはこの点に関してかなり明白に述べている項目がある (※ネーミングポリシーの日本語版が見つからなかったので適当に訳しました。CCP による公式なものではありませんのでご注意ください)


============== 略 ==============
  1. ゲーム内における名前について
============== 略 ==============
    1. プレイヤーがゲーム内で使用する名前は・・・
      • EVE Online・CCP・カスタマーサポート・ボランティアの、従業員または代理人になりすますものであったり、その名前をもじったりしたものであってはならない。
        他のプレイヤーによる誤認をうながすことを目的として、 EVE のゲーム内 NPC (例 : CONCORD、その他公式の NPC コーポや組織のメンバー) になりすますものであったり、その名前をもじったりしたものであってはならない。
============== 略 ==============
      「ゲーム内の名前」 とは以下を含むが、以下に限らない : キャラクター名、コーポレーション名、アライアンス名、その他プレイヤーによって名称の変更が可能なあらゆるゲーム内アイテム・実体。
    1. プレイヤーは、他のプレイヤー当人であると不正に見せかける目的で他のプレイヤーのキャラクター名を使用してはならない。このポリシーは、プレイヤーコープ、アライアンス、その他あらゆるゲーム内の実体の名前についても同様に適用される。

上記の版について言えば、施行されてからまだ 3ヶ月にしかならないわけだけど、それでもネーミングポリシーの具体的にどこに変更が加わったのか、そしてその理由については、当時のアナウンスメントで確認してもらえる。

さて次。EULA (エンドユーザーライセンス契約) にもなりすましに言及している箇所があって、こちらは施行されてから 1年半ほどとなっている。と言っても、同様の文言はこれ以前の版にも含まれていたんだけどね。

  1. パスワードと名前

============== 略 ==============
    お客様には、登録およびキャラクター作成の際に、ログイン名とキャラクター名が付与されます。本システムにアクセスし、または EVE をプレイするために、お客様のログイン名やキャラクター名を他人に使わせることはできません。どのプレイヤーも、他のプレイヤーのキャラクター名をかたっ てそのプレイヤーになりすまし、またはそのプレイヤーのふりをすることはできません。他人のログイン名またはキャラクター名を入手し、入手しようとし、利 用し、または利用しようとすることは許されません。
============== 略 ==============

(※エンドユーザーライセンス契約よりコピペ)

太字の部分に見覚えがあるかもしれないね。ネーミングポリシーにもほとんどそのままの形で登場している。

というわけでサービス規約に移ろう。今回の変更を経て、サービス規約の文言は以下のようなものになっている。


============== 略 ==============
  1. CCP の、もしくは EVE Online ボランティアの代理人であるかのようになりすましたり、そうであるかのように振る舞ってはいけません。他のプレイヤー、プレイヤーのグループ、キャラクター、または NPC グループの代理人であるかのようになりすましたり、そうであるかのように不正に振る舞ってはいけません。(※これは CCP による翻訳ではありません)
============== 略 ==============


以前は 『サブスクライバーは、CCPの代理人やEVE Onlineボランティアになりすましてはいけません。(※サービス規約日本語版よりコピペ)』 だけだったものに変更が加わってこうなった。僕が理解している限りでは、唯一太字にした部分が他の 2つの文書と表現が若干異なっているけど、僕らの解釈ではこれも 『他のプレイヤー当人であると不正に見せかける』 の範疇に含まれるものだし、これまでもずっとそのようなものとして対応してきた。

というわけで、今回文言が変更されたとはいえ、カスタマーサポートとしての立場からは、ポリシーについてもその運用方法についても、これまでと比べて変わった部分はなにひとつないんだ。サービス規約をアップデートしたのは、他の、サービス規約と変わらない重みをもつ文書で言及されている内容を、サービス規約にも含ませるためだ。

では、そもそもなぜサービス規約に (そしてそれ以前にはネーミングポリシーにも) 変更が加わったのか。最大の理由は、僕らがなりすましに関するケースを扱う機会が増えてきているからだ。これは、なりすましを犯すプレイヤーにとっても、その被害を受けるプレイヤーにとっても、ポリシーの意味するところが明確でないということを示している。そしてポリシーを明確なかたちで提示できなかったのは、結局僕らがプレイヤー達の行動態様を把握しきれていなかったという部分が大きい。そういうわけで、カスタマーサポートが通常どのようにルールを解釈するのかがよりわかりやすく伝わるよう、今回項目に変更を加えた。そしてここから、プレイヤーから挙げられてきた疑問点につながっていくわけだけど・・・


過去に 《なりすまし行為名》 を行ったプレイヤーが罰せられずにすんだのはなぜ?

答えは簡単、GM への報告がなかったからだ。報告がなかったのは、そのなりすましが他のプレイヤーの気に障るほどのレベルではなかったからなのかもしれないし、被害者が自分にどんな権利があるのかを把握できていなかったからなのかもしれない。GM 側で能動的にになりすまし行為を摘発して回っているわけではないので、報告がなければこちらとしても動くことはないんだ。




同スレ #239 より

(2013.09.11 12:45 by GM Karidor)


ある行為をカスタマーサポートが 「なりすまし」 だとみなす基準は?

その基準をここに明記できるものならそうしたいところだけど、到底不可能だ。なりすましはさまざまな形態をとり得るうえに、その形態の一つ一つにあいまいさがどこまでもついてまわる。幸運なことに (僕ら GM にとっては、という意味でだけど)、大抵のケースは、不正な目的を持って他のプレイヤーと似た名前を使用する、といったような、状況がはっきりしているものであることが多い。でも、もっとわかりにくいかたちでなりすましを試みるプレイヤーの数も増えつつある。
なりすましについて考えるときに注意しなければいけないのは、それに関わるキャラクターは、他者から見ればすべて別個の、独立した存在であるということ。つまり、あるプレイヤーがオルトを使って、周りからの信用が厚い同アカウント上の自分のメインキャラクターになりすます、といったケースも十分起こり得る。あるキャラクターが他のキャラクターと同一のアカウント上のものであるかどうかを確かめる手段がゲーム内に存在していない以上 (API キーは、キーとそれに対応した外部アプリケーションが必要となるため、このような場合に手段として数に入れることはできない)、そのような場合であっても、なりすましたのが他のプレイヤーであった場合とまったく同じように扱われることになる。

まとめると、なりすまし報告への対応にあたっては、あからさまなケースを除いて、あらゆる事実、あらゆる文脈を考慮に入れたうえで、ひとつひとつのケースについて個別に対処していく必要があるということだ。なお、その際に当事者間のスタンディングを考慮に入れることは原則としてない。スタンディングはきわめて多様な文脈で使用されているものだからね。一般的化すると、あるゲーム内の実体 (※個人・グループ・NPC 等あらゆる存在) の代理人であると主張するためには、自分がその実体のメンバーでなければならない、ということだ。自分があるゲーム内の実体の代理人であると、その実体に所属していないキャラクターで主張する行為は、紛争発生時においてはポリシー上、なりすましであると解釈される 「可能性」 があるだけでなく、間違いなくそうであるとみなされる。たとえそのプレイヤーのオルトが実際にその実体のメンバーであったと、その後判明したような場合であってもね。繰り返しになるけど、これはアカウント情報の確認手段がゲーム内に存在していないという事実を重視したことによる。


でもロールプレイ指向のプレイヤーはどうなるの?

「なりすましポリシー」 では、今回に限らずこれまでもずっと NPC 系の実体 (※以後 『NPC』) になりすましてはならないとしてきているよ。もっとも、ある NPC をサポートしたいのであれば、その NPC の 『代理人である』 とか 『指示にもとづいて行動している』 などと主張しなくても、目的を達する方法は他にいくらでもあるはずだよね。また、プレイヤーからのサポートに対して NPC がなんらかの意思を表明すことはない、という点は心にとめておいてほしい。イベントの場合を除いてね。


で、僕はバンされるの?

なりすまし行為が、事前の警告もなしにバンにまで結びつくことはきわめてまれだ。これまでのところ、なりすましがバンにまで発展したのは、それが繰り返し行われた場合か、きわめて極端な事例の場合のみだ。通常の手続きとしては、警告や名称の変更などが一般的で、事例の性質に応じて違反行為によって取得された資産の没収 (そして返還) なども起こり得る。


とりあえずこんなところだ。かなりの長文になったけど、今回のサービス規約変更にともなってあがった疑問点に、多少なりとも答えられていればと思う。


(※おまけ : 上の記事とはまったく関係ありませんが、ちょっと面白かったので動画を)


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