DEV BLOG: [Odyssey] 資源の再配分について

(※公式訳がでましたのでそちらをご覧ください 「資源の大改造」)

DEV BLOG: [Odyssey] 資源の再配分 「革命なんかじゃない」 "Resource Shakeup in Odyssey: Just don’t call it a Cataclysm"

(2013.04.26 19:02 by CCP Fozzie)


まだまだ革命なんかじゃない

投機家諸君、準備はいいかい?


勇敢なるパイロットのみんな、ふたたびこんにちは。僕は CCP Fozzie。今日は EVE Online の 19回目の無料拡張「オデッセイ」に関する話題をお届けしたいと思う。このゲームの 10周年の記念日を同時期に控えた今回の拡張を実装するにあたって、僕らはこのゲームの原点 ―― 君や仲間たちが探検し、ひと山あてるべくさまよい歩ける、驚異に満ちた大宇宙を提供すること ―― に立ち返ることにした。この大宇宙には有志のパイロットの手に収まるのを待つ多数の報酬が散りばめられているけど、New Eden の幾多の星系をめぐるみんなの探検の旅をサポートするべく、この大宇宙そのものが生み出す報酬の一部に調整を加えることにした。

どんな宙域の住人でも、ひとたび冒険へとステーションを出港したらそれに見合った報酬が得られるようにしたい。これを実現すべくとりかかってみたところ、EVE の資源状況に関し難しい選択にいくつも直面させられた。

  • 採掘 ―― EVE の長い歴史の中でもっとも象徴的な活動の一つ ―― を変えるべきか?
  • アイス採集 ―― 長時間の作業と無限に近い供給という問題を長いこと抱えてきた ―― を改修するべきか?
  • 月採掘と tech 2 生産の現場をかき回して、新たな戦争の火種を蒔くべきか?
  • マイナー (採掘家)・生産系プレイヤーが、戦闘系プレイヤーと同じくらい自らの帝国の発展に寄与できるよう、プレイヤー製アウトポストの性能をオーバーホールするべきか?
  • 自らの領土を獲得しようというプレイヤーたちのモチベーションを高めるべく、ナル (ヌル) セクのアノマリー (※特異点・簡易サイト) の調整をするべきか?

これら難題に取り組んでみてわかったのは、正解はただ一つだけだということだった。

  • Yes
  • Yes
  • Yes
  • Yes
  • そして、Yes。

ファンフェストで今日のキーノートを見てくれたみんなはもう知っていると思うけど、オデッセイではこれらすべてに手が入ることになる。一連の変更を実装するために僕そしてチーム Five O のメンバーはかなりの力を入れてきたし、今日こうしてみんなに発表できるのをとても嬉しく思う。

さっそく内容に移ろう。

実際の数字

Tech 2 生産と月採掘

鉱石の採掘

アイス採集

アウトポスト

ナルセクアノマリー


Tech 2 生産と月採掘

フェイズ 2 へ


まずはこれから。さもないととみんな他を飛ばしてこれから読み始めてしまうだろうしね。

CCP に入って僕の初の DEV BLOG を昨年の夏に書いたんだけど、そのなかでインフェルノ拡張 1.2 で実装した Alchemy (錬金術) への変更に触れた。そのブログの中で僕は、今回の Alchemy への変更は長期的な視野で月採掘と tech 2 生産に加える予定である変更点の、ほんの第一段階 (フェイズ 1) にすぎないと述べた。また、間違いがないよう時間をかけて行うつもりだとも述べたし、その気持に今も変わりはない。計画の各段階の一つ一つがこのフィーチャーにまつわるみんなのゲームプレイを改善するものになっていると同時に、その後の段階のデザインと実装への準備過程となっている。インフェルノ拡張 1.2 で Alchemy に加えた変更は大成功だった。この変更により過去 9ヶ月間のマーケットの状況を飛躍的に改善すると同時に、その後の段階に向けた下地を十分に形成することに成功した。そして今日、こうしてフェイズ 2 の実装を発表できることをとても嬉しく思う。

フェイズ 2 の中心課題は以下の三点だ :

  • 月採掘システムの「うまみ」を、現在一般的な (そして一部地域に密集した) テクニシウム (Technetium) から、ミネラルの中でももっとも希少なミネラル類 (R64類) へと戻す。
  • その 4種の希少ミネラルにうまみを分散させる。
  • 価格変動にEVE のマーケットがもっとうまく対応できる余地を新たに創りだす。

これらの課題を達成するために、主として tech 2 生産プロセスの見直しを行う。tech 2 製品にはさまざまな要素が組み込まれているけど、具体的には中間素材を新たに 2種類追加、composite を 4種類追加、そして Microprocessor・Capacitor Unit・Reactor の構成を調整する。変更の詳細は姉妹ブログに掲載しているけど、手短に述べると各 R64 ミネラルはそれぞれに対応した国家の tech 2 船にこれまでよりも強く関連付けられることになり、これにより 4種のミネラルがすべて価値あるものになるだけでなく、ボトルネックとなるミネラルとともに各国の船の価格がそれなりに変動し、需要の推移に従って市場への圧力を軽減する作用を見込める。

今回の変更により R64 類のミネラルがこれまでよりもはるかに拮抗したバランスで使われるようになることから、供給量を均等にするために一部の R64 類ミネラルについては New Eden 中の月に新たな供給源を追加したいと思う。新たな供給源を選定するにあたってはえこひいきなどが発生しないよう、選定はスクリプトによりランダムに行われる。このスクリプトに必要なシードは、ファンフェスト 2013 資源再分配円卓会議にてプレイヤー自身に提供してもらおうと考えている。EVE の宇宙に痕跡を残す貴重なチャンスなのでぜひ参加してほしい。ミネラルの供給地域の選定作業は公平を期すため、CCP 内務局管理下で行われる。

これらのミネラルを月に追加すると同時に、新たなミネラルをしかるべく期間内にみんなに見つけてもらえるよう、月をスキャンするのに必要な時間をいくらか減らしたいと思う。

Tech 2 生産と採掘への調整は今回のフェイズ 2 で終わるわけじゃない。月採掘の仕組みそのものが完全に満足いくものだとは思っていないし、将来的には規模の小さいグループにもその過程を妨害することができるような、もっとアクティブなプロセスを導入したいと思っている。ともあれフェイズ 2 によってゲームの健全性が向上するともに、この先の変更を実装していくための基礎をしっかりと固めることができるのは確かだ。

各数値の詳細については姉妹ブログを見てほしい。僕らの今回のアプローチについてのフィードバックやみんなの視点からの分析も待っているよ。


鉱石採掘

リアルで小惑星採掘?EVE ではとっくの昔からやってるよ!


採掘は EVE の経済活動の中でも最も象徴的な活動の中の一つだと思う。僕らが理想としているゲームデザイン上の大原則 ―― 破壊は創造の礎となり、創造は破壊の機会をもたらす ―― を体現するものだ。

オデッセイで鉱石採掘を調整するにあたって肝となるのは、New Eden のどの地域の住民にも手が届き、利益を上げることができるコンテンツにするということだ。ローセクでの採掘をその危険に見合っただけのものにしたいし、ナルセクのプレイヤー国家が採掘・生産系プレイヤーを頼みとし、喜んで戦列に加えたくなるようにしたい。またマイナー (採掘家) に新たな居場所を提供することで PvP 系プレイヤーにとっても採掘という活動が、フリートによって守るべき対象として、あるいは妨害の対象として、新たな戦いの機会をもたらすことになるはずだ。

ロー・ナルセクでの採掘には現状いくつか問題がある。これらの地域で発生する一部の鉱石、主に Gneiss と Spodumain は、あまりにも価値が低すぎて (この原稿を書いている時点で、体積あたりの価格はどちらも Scordite の半分以下だ)、採掘することそのものの意義を薄めてしまっている。Tritanium や Pyerite のような一般的な鉱石が満足に採れないのに加えて、まともな加工施設が不足しているという事情も重なりナルセクの生産業の展望は暗いものとなっている。その結果マイナーは採掘した鉱石を地元でさばくことができず、生産系プレイヤーはプレイヤー支配領域で業務を行うことができないという状態だ。ハイクオリティーの星系にはそこで採掘オペレーションを運営するだけの魅力が現状では欠けており、採掘に力を入れている組織があったとしてもその業務を拡大する道がほとんどないというありさまだ。

オデッセイで鉱石採掘に加わる変更のかなめとなるのは、一部の鉱石に含まれるミネラル組成の調整だ。大量消費されるミネラル (おもに Tritanium と Pyerite) を、ハイセクではなくセキュリティーの低いシステムに発生する鉱石に多く追加する。この調整の影響を受けるのは Arkanor、Bistot、Crokite、Dark Ochre、Gneiss と Spodumain で、特に最後の 2種はミネラルの産出量に大幅な改善がほどこされる。詳細は姉妹ブログを見てほしい。

この調整によって 2つの点でこのゲームが大きく改善されると考えている。

一つ目は、ミネラルが追加されたことでこれらを含む鉱石の価値が上がり、危険な宙域でこれらを採掘する意義を高めることになる点。 Gneiss と Spodumain は現状は極めて価値が低く (現時点ではこの二つがこのゲームの中でもっとも価値が低い鉱石だ)、またアップグレードにより発生した隠しベルトを再びわかせるには Gneiss と Spodumain をすべて採掘しきらなければならず、これが業務の効率を低水準で抑えこんでしまうブレーキとなっていたこともあり、この二石への調整は特に影響が大きい。ナルセクのマイナーにとっては、これらの価値がまともなレベルに引き上げられるのはとても重要なポイントになると思う。

二つ目は、ローエンドミネラルが既存の鉱石から供給されることによって、ナルセク生産業務の、原料や物資の輸入への依存を軽減することができる。後述のアウトポストへの調整とあいまってこれらの調整によりプレイヤー支配領域での真の産業の確立への展望が、大幅に明るいものになると考えている。

最高の採掘星系をめぐる争いを促し、Ore Prospecting Array を最大レベルまでアップグレードしたことへの十分な報酬となるよう、極めて高位のシステムクオリティーをもった星系 (truesec) にしか発生しない Extra Large と Giant Asteroid Cluster に新たなバリエーションを追加したいと思う。これらのベルトには通常のベルトに発生する鉱石の improved (+5% と +10%) 版も発生するようになる。

また、隠しベルトの発見方法を大幅に変更する。Gravimetric (重力) シグネチャを廃止し、その代わりプレイヤーがオンボードスキャナで鉱石サイトを発見できるようにする。この変更によって採掘する側にとっても、そのプレイヤーを狩る側にとっても隠しベルトを見つけ出すのがはるかに簡単になるので、警戒を怠らないよう注意する癖をつけたほうがいいだろう。

以上を組み合わせることで、New Eden のコアなマイナーの選択できる進路にバリエーションをもたせ、どこに住むことを選ぼうとそこで利益をあげることができようになればと思っている。僕らは採掘にナルセク組織が成功するための重要な土台となってほしいと考えているし、ナルセク組織には宇宙を制覇したいのであればマイナーたちをその組織の一角に組み込むことを考え始めることをお勧めしたい。


アイス採集

オーケー、やめだ。


さて少しひんやりした方面について述べよう。アイス採集によって New Eden の幾千のスターベースの燃料、そして巨大なキャピタル (超大型) 船団の星間移動の燃料となる資源を得られる。これらの資源は EVE 経済で重要な役割を果たしているけど、アイス採集にまつわるメカニクスは今にいたるまで停滞したつまらないフィーチャーのままだ。現在 New Eden はアイスの過剰供給状態を迎えており、競争が阻害されているし、活動の実在感も特定の野心的なプレイヤーによって営まれる組織的な妨害行為が一部見られる以外は乏しいものになっている。現在のアイス製品の消費ペースで考えると、このゲームに存在するアイス需要のすべてをたった 4つのベルト (1種類につきひとつ) でまかなえてしまう。CCP ではアイス採集が儲かる活動となり、アイスを求めてプレイヤーが移住し、パイの一切れを手に入れるために互いに争うようになってほしいと考えている。しかしそれと同時に、スターベースの運営にとってアイソトープが高額になりすぎてしまわないよう気をつける必要もある。この危険な綱渡りをどうしたらうまくやり遂げられるか熟考を重ねた結果、非常に強力なソリューションを見つけることができたと考えている。

全宇宙に散りばめられた現在の動かない (そして巨大な) アイスベルトは、オデッセイのリリーズ時にゲームから取り除かれ、代わりにそのアイスベルトが発生していたシステムには一連の鉱石アノマリーがわくようになる。これらのベルトはすべて採集しきるときっかり 4時間後に再びわき、プレイヤーはタイムゾーンにかかわらずアイス採集に従事しそのうまみを享受できるようになっている。これらのサイトから供給されるアイスの総量は、New Eden のアイス需要のほとんどを (ただしすべてではない) ハイセクのベルトからの供給でまかなえるように調節されている。現在の予定ではハイセクからのアイスの供給量は (各ベルトが日に 5回完全に採集されつくされるとして) 最大で New Eden の需要の 80% となっており、採集の少なくとも一部はハイセク外でなされなければいけないことになる。実情に即して話すと、ハイセクには自らが必要とするアイソトープの 8倍の供給能力があり、アイス製品の一大輸出元となるということだ。

アイスの供給が低下することとのバランスをとるため、そしてアイス採集の報酬がもう少し手早く手に入るようにするために、アイスハーベスターのサイクル時間を 50% 短縮することにした。つまり単位時間あたりの採集量は従来の 2倍になる。

アマー帝国、Khanid Kingdom そして Ammatar Mandate の一部の星系を除いて、現在アイスベルトが存在しているシステムにはすべて最低一箇所はこの新しいアイスアノマリーが発生する。現在二つもしくは三つのアイスベルトを抱える星系を中心として、一部の星系には複数のアイスアノマリーが出現する。アマーのハイセク星系に出現するアイスアノマリーについては出現する星系のリストが姉妹ブログに掲載されているので、自分の採集場でパッチ後もアイスを採集することができるかどうかはそこで確認してほしい。

以上を組み合わせることで、アイス採集がプレイヤー同士が協力して、あるいは競い合って利益をあげられるような有意義な活動になってくれればと思っている。新システム実装後はマーケットの動きとプレイヤーの活動状況に目を光らせ、必要に応じてベルトの再出現間隔やアイスの構成比率を調節し、アイス製品が望ましい形で供給されるようバランスをとりたい。


アウトポスト

オフィスのある場所をわが家と呼べなければ意味が無い。


結局アウトポストってただの巨大な宇宙船でしかないよね?

資源の再配分についてのブログでアウトポストに言及するのは奇妙に思われるかもしれないけど、資源採集の運命と生産系コンテンツはあまりに強く結びついているため、片方を放置したままでもう片方だけを改善するのは実際のところ不可能なんだ。

アウトポストは EVE における「陣取りゲーム」の、最終的な象徴となるものだ。組織が力を合わせて最初のアウトポストを建てた瞬間というのは多くのプレイヤーにとって忘れられない思い出となる。しかしながら NPC ステーションや奪取可能なステーションに比べてアウトポストの機能は限られており、自領で生産に力を入れている組織は往々にして生産ラインを確保するためだけにステーションを立て続けざるを得ないといった事態に陥りがちだ。アップグレードの費用は非常に高価であるにもかかわらずその見返りは極めて低いため、使いものになるアップグレードはリファイナリーアップグレードだけというのが大方の共通認識となっており、現状ではアウトポストから得られる恩恵は極めて限られているといえる。

オデッセイでは各アウトポストに実装可能なインストーレーションの数を増やすとともに、各アップグレードによって増加する生産ラインの数も増やすことでアウトポスト改善の第一歩を踏み出したいと考えている。これらの変更によって生産、ブースター生産、ブループリントコピー、マテリアルリサーチ、プロダクションリサーチ、インベンション、リバースエンジニアリングの各ラインが大幅に増加し、構えられるオフィスの数も増える。

各数値の詳細については姉妹ブログを見てほしい。

アウトポストの調整はこのオデッセイでの調整で終わってしまうわけではない。満足がいくものができるまでにはまだいくつもの変更を加えなければいけないと考えているけど、オデッセイでインストーレーションを追加することで、ナルセクでの生産業の状況とアウトポストの価値をひとまず大きく高めることができると思う。


ナルセクアノマリー

ラット (NPC 海賊) の詰め合わせ


最後にナルセク住民の主要な収入源に話を移そう。基本的に海賊探知施設 (Pirate Detection Array) には満足しているけど、オデッセイを迎えるついでにそれが出現させるアノマリーの内容にも少々変更を加えたい。

まずワープ妨害を行う NPC がいない高位のアノマリーに、すべてワープ妨害キャラを追加する。アノマリーが伴うべきリスクをこれにより望ましい水準に保つ。

また、ハブとサンクタムに含まれる NPC の構成も少々変更したいと思う。ハブの NPC の一部を堅いエリートフリゲート・エリートクルーザーに変更し、サンクタムの一部のエリート NPC を BC (巡洋戦艦) に変更する。これらはまだ調整段階にあるけど、サンクタムでの時給を数が多いハブに比べて向上させることでアノマリー間のバランスをとりたいと思っている。


(※ファンフェストに関する記述省略)


姉妹ブログで数的な詳細を見てもらえるので、僕らの計画を検証してみたいのならぜひ読んでほしい。

これらの変更はすべて 6月 4日の EVE Online: オデッセイ拡張で実装予定だ。フォーラムその他でその専門知識やアイデアでサポートしてくれたプレイヤーのみんな、そして特に計画の各段階でフィードバックをくれた CSM7 のメンバー、すべてにお礼を言いたい。僕ら チーム Five O は今回の改善事項の実装にむけて全力で作業を行なってきた。みんなからのフィードバックを今すぐにでも聞きたいし、みんながこの新たな資源の荒野からどんなストラテジーをあみだすのか見るのを楽しみにしているよ。

(※基本的には英語名と日本語名を併記する方針なのですが、今回の記事についてはゲームに関する私の知識・経験不足により諦めました。追ってちょこちょこと書き加えていくかもしれません。勘違い等ありましたらお知らせください。)

(DEV BLOG: [Odyssey] 資源の再配分について - 02 に続く)

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